デザインの遺産を紐解く

ジラードファミリーのルーツを探る

「ヴィトラ デザイン ミュージアム」のアーカイブとして収蔵されているさまざまな箱のひとつを開けると溢れだす、色とりどりのサンプル、作品、写真やスケッチたち。それは、アレキサンダー・ジラードの孫であるアレイシャル・ジラード・マクソンとアレキサンダー・コリ・ジラードさんにとって、幼い頃に見覚えのある懐かしいものばかりでした。ここに保管されているのは、デザインの歴史だけではありません。ふたりにとっては、家族の思い出が詰まった大切な場所でもあるのです。

「ヴィトラ デザイン ミュージアム」には、1996年からアレキサンダー・ジラードの遺品が保存されています。アレイシャル・ジラード・マクソンとアレキサンダー・コリ・ジラードの兄妹がそのアーカイブを紐解きます。彼らは、サンタフェにある祖父母の家で、手作りの人形や模型、世界各地の民芸品に囲まれながら子ども時代を過ごしました。それは、物語や儀式、空想に満ちた、まるで魔法のようなひと時でした。ジラードの家は、彼のデザインや人生に対する考え方を如実に表現しています。伝統を大切にしながらも、遊び心に満ち、世界に対してオープンに開かれています。アレイシャル・ジラード・マクソンとアレキサンダー・コリ・ジラードの兄妹と、ヴィトラのCEOであるノラ・フェルバウムと現会長のロルフ・フェルバウムさんの対話からは、アレキサンダー・ジラードの残した作品が、現代でもなお多くの人に影響を与えていることが、改めて感じられます。

Publication: 16.05.2025
Pictures and Video: Marek Iwicki

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