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Antony Limited Edition 2025 / アントニー リミテッドエディション 2025

Jean Prouvé, 1954

フランスのデザイナーであり建築家、そしてエンジニアでもあったジャン・プルーヴェは、1950 年代初頭に、パリ近郊のアントニーに計画された大学都市の学生寮のために「アントニー」チェア をデザインしました。彼の工場であった「アトリエ ジャン・プルーヴェ」は、当時ヨーロッパ最大の学生寮であったこの施設の150 室に納める家具デザインのコンペティションを勝ち取り、「アントニー」の製造が始まりました。その後、頑丈かつ個性的なこの椅子は、オフィスや待合室、リビングルームなど、幅広く使われました。

「アントニー」の特徴的な金属フレームの構造は、「 コンパス ディレクション 」テーブルと類似しています。ふたつのブラケットが、なめらかな曲線を描く成形合板の座面に添い、金属チューブの脚が全体をしっかりと支えています。ヨーロッパ産パイン材のシートシェルは独特の木目を生かしたナチュラルワックス仕上げ、金属フレーム部はジャン・プルーヴェが生前に用いた海賊の赤を意味する「Rouge Corsaire(ルージュ コルセール)」色のパウダーコート仕上げによる限定モデルです。

「アントニー」は、 ジャン・プルーヴェのデザインの中では比較的後期の家具デザインのひとつです。そして、「 ヴィトラ デザイン ミュージアム」が所蔵するコレクションに最初に加えられた椅子でもあります。そのため、現在では7,000 点を超える家具コレクションの中でも、ひときわ特別な存在です。1980 年代にヴィトラの現名誉会長ロルフ・フェルバウムがプルーヴェ作品の蒐集と研究を始めたきっかけは、パリを訪れた際に出会ったヴィンテージの「アントニー」でした。1950 年創業のスイスの家具メーカーであるヴィトラは、2000 年にプルーヴェファミリーとの話し合い開始し、全プルーヴェ製品の復刻と製造販売権を獲得、2002 年以降、ジャン・プルーヴェ製品を製造販売しています。「ヴィトラ デザイン ミュージアム」が所蔵するジャン・プルーヴェの歴史的家具コレクションの中でも特に注目すべき作品は、2006 年に開催された展覧会 'Jean Prouve: The Poetics of the Technical Object '(ジャン・プルーヴェ:技術的対象の詩学)に展示され、広く紹介されました。

2025年10月より、ヴィトラは「アントニー リミテッドエディション 2025」を年内限定で販売します。

The limited edition of Antony will be available in Asia in autumn 2025.

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ジャン・プルーヴェ

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Jean Prouvé - office_web_teaserJean Prouvé - portrait panels_web_designer_filter

ジャン・プルーヴェ (Jean Prouvé) は、生涯を通じ、自身のアイデアを製品化するデザイナーであり、エンジニアであり、また製造も自らの手により行っていました。 彼のユニークな作品は幅広く、レターオープナーからドアや窓の部品、照明、家具、プレハブ住宅、建築モジュラーシステムまで多岐に渡ります。