Place Jean Prouvé

Vitra Campus, 2022

スイスのバーゼル近郊、ドイツのヴァイル・アム・ラインに位置する「ヴィトラ キャンパス」は、スイスの家具メーカーであるヴィトラの生産拠点であるとともに、ブランドの有する文化的な側面を広大な敷地に集約した場所です。著名な建築家が手掛けた建築が増え続けるヴィトラキャンパスは、デザインと建築を愛する人にとっての聖地としても知られ、Charles-Eames-Strasse, Ray-Eames-Strasse, George-Nelson-Strasse, Verner-Panton-Weg, Alexander-Girard-Passageなどのように、ヴィトラキャンパス内の通りにはヴィトラが復刻を手掛ける名作家具デザイナーにちなんだ名前が付けられています。そして今年、ヴィトラキャンパスの南側にあり、見所の一つとなっているザハ・ハディドが手掛けた「ファイヤー ステーション」の奥、ヘルツォーク&ド・ムーロンによる「ヴィトラ シャウデポ」周りの広場に新たな名前が付きました。その名も「プラス ジャン・プルーヴェ(Place Jean Prouvé)です

ヴィトラは2002年からフランスの偉大なデザイナーであるジャン・プルーヴェ (1901-1984)の製品を復刻、製造しています。以降、プルーヴェファミリーとの関係はビジネスを越えた信頼と友情へと発展し、同時にヴィトラ社内におけるジャン・プルーヴェへの理解もますます深まっています。ヴィトラは今年より、ジャン・プルーヴェと彼の作品の重要性を表現するため、ヴィトラキャンパスの南側の広場を、ジャン・プルーヴェ広場を意味するプラスジャン・プルーヴェと名付けました。
From left to right: Wolfgang Dietz (Mayor of Weil am Rhein), Catherine Prouvé (daughter of Jean Prouvé) and Rolf Fehlbaum (Chairman Emeritus Vitra)
プラスジャン・プルーヴェには同名の標識が掲げられ、彼の家具が設置されています。向い側にある一般住宅との間に隔たる壁には、プルーヴェデザインの数々の家具のフレームが取り付けられています。また、かつて「ヴィトラ デザイン ミュージアム」による展覧会Wunderkammer exhibitionの会場だった「ホワイト ハウス」の外壁にはジャン・プルーヴェの肖像画が掲示され、キャンパス南側の入り口にあったアレキサンダー・ジラードのハート型のレリーフは、ジャン・プルーヴェの製造工房「アトリエ ジャン・プルーヴェ」が独自に開発したカラーパレットの巨大なモチーフに置き換えられました。広場では、フランスを代表する自動車メーカーのCitroenによってかつて生産されていたCitroen Type Hがフードトラックとして改造され、特定の日にケータリングを行います。また、向いの「ヴィトラ シャウデポ」内にあるカフェ「デポ デリ」でもお茶や軽食を楽しめます。

Publication date: 13.06.2022
Images: Bettina Mattiessen, Julien Lanoo

ヴィトラキャンパスについて