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ポジティブなエネルギーと心を育む「アルコーヴ ソファ」
ロナン・ブルレックへのインタビュー
2006年、ロナン&エルワン・ブルレックとヴィトラの協働により、高い背もたれとサイドパネルを備えた「アルコーヴ ソファ」が発表されました。オープンな環境の中に空間を作り出す建築的機能のあるアルコーヴソファは、発表から現代まで、モダンで魅力的なワークスペースの代名詞のような存在となりました。
類似品も多く見られますが、その洗練されたデザインと高い耐久性を誇る品質に匹敵する製品は他にありません。アルコーヴソファは、オープンなオフィス空間に一人で籠る場所や少人数でのミーティングスペースを創り出すマイクロアーキテクチャの最初の事例のひとつです。「アルコーヴ」シリーズの開発と2021年のアップデートについて、ロナン・ブルレックに話を聞きました。
類似品も多く見られますが、その洗練されたデザインと高い耐久性を誇る品質に匹敵する製品は他にありません。アルコーヴソファは、オープンなオフィス空間に一人で籠る場所や少人数でのミーティングスペースを創り出すマイクロアーキテクチャの最初の事例のひとつです。「アルコーヴ」シリーズの開発と2021年のアップデートについて、ロナン・ブルレックに話を聞きました。
15 年前、あなた方はアルコーヴを開発しました。アルコーヴは、オープンなオフィスにおいて、囲われた空間を作り出し、プライバシーを守るとともに安らぎをもたらしてくれます。この製品とデザインがこんなにも成功し、発表した当時よりもニーズが高まると想像できましたか?
ロナン・ブルレック: いいえ、まったく想像していませんでした。しかしアルコーヴの開発当時から、今支持されている理由の傾向がみられ、製品コンセプトに取り入れていました。どういうことでしょうか?2006年の時に、まさかコロナウィルスによるパンデミックが起こるとは想像できませんよね。
1990 年代の終わり頃、ロフト付きの広々としたオープンな居住空間が流行りました。すべての壁を取り払う代わりに、キッチン用や睡眠用、テレビを見るなど、あらゆる用途に適応する空間を作り出すマイクロアーキテクチャの要素が取り入れられました。つまり、人々はその当時からプライバシーを守り、安心して籠れる場所を求めていたのです。人々がオープンな空間から逃げ込むことができる場所を作ろうと思った?
その通りです。とはいえ、このストーリーは失敗作のソファから始まりました。現在のローバックタイプのアルコーヴほどの高さに背もたれを設定し、住空間での使用を想定してデザインしました。しかし、なぜか評判が良くなくて。ふかふかの柔らかな体が沈みこむようなソファじゃなかったからかな。ソファの「上」に座っているように感じたのかもしれません。その後、スイスのビルスフェルデンにあるヴィトラの本社で、現在は名誉会長のロルフ・フェルバウムとソファを囲んでミーティングしている最中に、私が段ボールを見つけて、スチールのフレームと生地張りのクッションの間にそれを挟み、スクリーンのように立ててみました。ロルフ・フェルバウムと私は、これだ!と思いました。これが、背もたれと側面に高さのあるパネルを備えたモデルの開発に繋がりました。それは ドイツのオフィス家具の国際見本市であるオルガテックのわずか数週間前のことでした。その年のオルガテックの展示のど真ん中にそのソファは展示されました.反応はどうでしたか?人々にすぐに理解されましたか?
見本市の時は、展示会場でビジネス的な商談をすることは滅多になく、商談のための個室が設けられていたり、展示と展示の通路が商談スペースになっていたりします。しかし、この時のオルガテックでは、皆アルコーヴに座って商談をしていました。プライバシーが守られる環境であると実感したからでしょう。この光景こそ、私たちのアイデアが皆のニーズに応え、十分に機能しているという証明でした。この時感じた確信は、その後の反響の大きさによってさらに裏付けられました。住空間用にデザインされたソファが、「オフィス業界」でこれほどまでに大きな反響があったことに驚きましたか?
そこまで驚きませんでしたよ。良いソファは良いソファ以外の何物でもないですからね。オフィスでも住まいでも同じように機能します。2000年代初頭のオフィスは、当時のロフト付きマンションと似たようなレイアウトが主流で、役職や部署ごとに部屋が分けられていた時代から、全員が同じオープンな空間で作業する風景に変わりました。しかし、壁は取り払われたとしても、個人のプライバシーの問題は依然として残ります。オフィス空間にソファが置かれることは、当時まだ珍しいものでしたよね。
まず企業は、従業員を信頼し、オフィスのソファは昼寝のためではなく、アットホームなオフィス環境づくりのためであることを理解する必要がありました。企業が、従業員に対する感謝の気持ちを表すことによって従業員もより良い仕事に勤しむという共通認識を育むことが大切だと思います。社内の人間関係を円滑にするためだけにソファを置いているのではないと。ですから、アルコーヴが成功を収めた背景には、単に製品の機能やデザインだけでなく、企業と従業員の姿勢の変化があると思っています。企業は、業績や利益だけではなく、従業員のウェルビーイングにも気を配っていることを伝える必要が出てきたのです。 オフィスの真ん中にあるアルコーヴソファは、まるでお湯に浸したティーバッグのように、ポジティブな雰囲気とエネルギーを醸し出してくれます。
オフィスでの行動や働き方までも変えることを目指していましたか?
もちろんです。 ヴィトラとともにオフィステーブルシステム「ジョイン」 テーブルを開発した時、オフィスにおける働き方自体を一転させようというアイデアはすでにありました。オフィスのスペースを効率よく使うため、コンパクトなひとつの大きなテーブルに多くの従業員が座るようにしたかったのです。ひとつの空間に多くの従業員を詰め込むのではなく、空間の無駄をなくし、その他の意味のある目的のために有効活用できるようにしたいと考えました。例えば、ミーティング、個人の集中作業などです。アルコーヴも同じ思考プロセスから生まれました。部屋の中に部屋をつくることをコンセプトにしたアルコーヴは、その時のニーズに合わせて柔軟に空間を適応させることができます。2006年から継続して「アルコーヴ」シリーズの拡大に取り組んでいますが、この製品とシリーズに興味を持ち続ける理由は何ですか?
インタビューの最初に述べたように、アルコーヴは現代でも依然として、もしくはさらに需要が高まっているという事実があります。従業員の働き方とそれぞれのタスク、作業に必要な要素をオフィス空間の中でサポートする製品であり続けています。アルコーヴのさまざまな使用例はいつでもとても興味深いですね。最近ある建築家から、暴力被害、特に性的暴行被害者の事情聴取のために警察署内にアルコーヴを導入したと聞きました。アルコーヴの中では、被害者にも守られている安心感があり、話しにくいこともスムーズに話すことができる、という彼の話にはとても感動しました。良い雰囲気や空気感を作ることがいかに大切か、改めて実感しました。もちろんソファひとつで世界が変わることはありません、しかし例え小さくとも何かの形で社会の前向きな展開に貢献したいと考えています。「アルコーヴ」シリーズに新たなバリエーションが加わりました。数年間に渡り支持され成功を収めてきたこのシリーズの改善すべき点は何でしたか?
いかにアルコーヴをさらに包括的なシリーズに高めていくかを追及し、現代のオフィスで考えうるほぼすべてのニーズを満たすようラインナップを拡張しました。それゆえ、パンデミックの最中でも、その後でも機能するシリーズになりました。もちろん、個人で集中して作業したい場合は自宅で仕事をするのもよいでしょう。しかし、リモートでブレストをしたり、アイデアを出し合ったりするのは容易ではなく、主に社会的交流やコミュニケーションのために従業員はオフィスに戻ってくると考えています。そのために適応する物理的な形を創設する必要があります。「アルコーヴ」シリーズのようなオフィスシステムを利用することで、オフィスにバーのような状況を作ることができます。人々が行き交う中、相談相手と席を並べリラックスして会話したり、またひとりでの大切な時間を過ごすことも可能です。どのようにその柔軟性を生み出すのですか?
たとえば、一部のモデルはキャスター付きで、移動が簡単でスムーズです。私が特に気に入っているのはスクリーンのアイデアで、スクリーンを取り付けて仕切ることで、ソファ1台だけで部屋を構築できるのは、非常に理にかなっています。またソファを数台並べると、一見規則的なグリッドのようにみえるレイアウトにも有機的なやわらかな要素が加わります。リモートワークでは、家で仕事をするために、パートナー、子供や同居人から少しの間離れて仕事に集中するため、自宅にもアルコーヴが欲しいと思う人が多いような気がします。あなたの場合はどうですか?
私個人としては、仕事をしているときでも家族が近くにいる環境は好きですね。集中する必要があるときでも、家族の存在はまったく気になりません。アルコーヴはある種のフィルターとして機能しますが、完全な壁ではないため、このような状況にも適しています。アルコーヴの外にいる人にとっても、私がアルコーヴの中に籠っている時は、何か大切な案件に取り組んでいることを察することができますし、言わずともそのサインになります。私の娘はもう13歳なので、そもそも部屋の中を走り回るようなことはありませんけどね。スタジオではどうですか?静かに一人で籠る機会はありますか?
正直なところ、スタジオにおいては籠る必要性をそこまで感じていません。最初にロックダウンになった際、すべてのスタッフを自宅に戻してから2カ月半の間、彼らと電話で会話するしかできず、スタジオに彼らがいないことがとても寂しいと改めて感じました。3D模型と段ボールの残骸に囲まれた混沌としたスタジオで、スタッフに囲まれながらアイデアを交換し合い、せわしなく動き回る時間、それこそを私は求め、愛しています。仕事をしている時のあなたのお気に入りの場所はどこでしょうか?
そうですね。檻の中のトラをイメージしてください。私は歩き回り、考え事をしたり、スタッフの様子を見に行ったり、コンセプトについて話し合ったり、時には最初のアイデアを却下して再考したり。じっと座っていることはめったにありません。そのため、高さ調節可能な上下昇降デスクなども必要ありません。何時間も同じ姿勢でいる必要がない仕事に就けて幸運だと思っています。Publication date: 17.6.2021
Author: David Streiff Corti