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VEJA POP UP at ヴィトラ サークル ストア

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フランス発 のスニーカーブランド VEJA (ヴェジャ)の期間限定POP UPを、アムステルダムとヴァイル・アム・ラインの「ヴィトラ キャンパス」内にある「ヴィトラ サークル ストア」にて開催中です。ヴィトラとVEJAは、耐久性のある製品を生産すること、製品の第二の人生の在り方を考えることにより、廃棄物を削減するという共通のヴィジョンをもっています。VEJA に、企業とブランドのこれまでの歩みと、サステイナビリテイへの取り組みについて聞きました。

VEJA が創業してからこれまでの最大のチャレンジとはどのようなことですか?


私たち VEJA にとっての挑戦は、いつでも、自分自身を超えることです。創業依頼、19 年間という歴史の中で、オーガニック コットンやアマゾンゴムなど、環境に優しい素材を見つけ、自社で調達し、生産と物流チェーンを構築し、ブランドのアイコンとなるスニーカーを作りました。 VEJA は、投資、株式、広告なしで、自然に世界へと広がり浸透しています。現在、 550 名の従業員を抱える会社にまで成長しました。
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特筆すべき成果や業績はありますか?

なにかひとつを選ぶことは難しいですが、「リペア プロジェクト」は特別な取り組みでした。リサイクルプロジェクトを開始したとき、私たちは、今まで大きなチャンスを逃してきたことに気づきました。多くの人は、ほんの少し破損したり、単にすり減ったりしただけで、靴を捨てているのです。何千もの古いスニーカーを回収してみたところ、その多くが修理やクリーニングをするだけで、まだまだ使用可能であることがわかりました。循環型経済や循環性について議論する前に、私たちが見逃しているステップがあります。それはリペア=修理・修復です。

2020年6月、私たちは、「Clean (洗濯), Repair (修理) , Collect (回収) 」プロジェクトを立ち上げ、ボルドーのダーウィンに、あらゆるスニーカー修理を請け負うステーションとして、初めての 『COBBLER STATION』を開設しました。2021年7月には、パリの老舗却下店ギャラリー・ラファイエットに靴とスニーカーを修理するスペースを設置しました。どちらも、当社のVEJA スニーカーを修理するだけでなく、ブランドを問わず、3,500 足以上の靴やスニーカーを修理しました。 2022 年 7 月、ベルリンにあるVEJA の直営店は、初めて、店内に靴の修理コーナーを併設した店舗としてリニューアルしました。ボルドー、パリ、ベルリンに続き、マドリッドにも修理ステーションが加わり、同時に、移動しながら修理のワークショップができるコンテナも導入しました。
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他ブランドがスニーカーを廃棄するのに対して、当社では返品されたスニーカーを修理して再販売します。このコンテナでは、毎月 1,000 足以上のスニーカーが修理されます。さらに、私たちは、パリにスニーカー修理のみを請け負うプラットフォームとして「VEJA General Store」をオープンしました。100平方メートルのスペースには、スニーカーや靴を一日中修理する2人の靴職人が常駐しており、ブランドを問わず製品寿命を延ばすための栗クリーニングを担当する専門スタッフもいます。修理サービスでは、靴を物理的に元の状態に戻すサービスを提供し、クリーニングサービスでは、製品の耐久性を維持し、高めます。ファッション業界における廃棄物の問題は、一社だけでなく業界全体の問題であると考えているため、当社ではブランドを問わず、あらゆる種類の靴やスニーカーの修理を承ります。

VEJAは、素材と生産に対しても高い基準を設けています。これらの基準を満たしているか、どのように確認しているのですか?

当社は 2018 年に B Corp 認証 (米国の非営利団体B Labによる国際認証制度。厳格な評価のもと、環境や社会に配慮した公益性の高い企業に与えられる)を取得しました。認証だけがすべてではありませんが、B Corp 認証 は、あらゆる方面から改善のガイドラインを示してくれ、多くのアイデアを与えてくれました。まだまだ改善の余地はあります。例えば、育児休暇の長さは適切なのか?男女の賃金の平等は保たれているのかなど…

また、当社の生産チェーンの 90% は FLOCERT 認定 (国際フェアトレード認定)を受けていますsし、当社が使用するオーガニックコットンはGOTS (オーガニックの繊維製品の基準と認証)、およびIBD認証 (持続可能なパーム油の生産と調達の基準と認証)を取得しています。しかし、それは、私たちの主な関心事ではありません。ほとんどの認証プログラムは、製品のみを対象としていて、生産チェーンについては審議されていません。これでは十分と言うことはできません。認証が存在しなくても、フェアで持続可能な方法は無限に存在するはずです。究極的には、原材料が栽培される土地で加工され、製造する工場を設けることが理想です。生産者や農家の個人としてもっと知ることは、私たちにとって、エコ認証よりもずっと重要です。

あなたたちは非常に透明性の高いコミュニケーションに努めています。お客さんからはどのように評価されていると感じていますか?

VEJA の透明性の秘密は、農家や工場の現場に入り、その場で何が起き、何を話されているのかを知っているからです。それは現実の問題に向き合い理解することです。現代、特に若い世代は、コンピューターの前に座っているだけでプロジェクトやブランドを立ち上げることができると信じています。しかし、これは大きな間違いだと私たちは考えています。工場を訪れ、私たちの服や靴を作っている人々に実際に会い、オーガニックコットンを収穫する畑を見ること、それが私たちに最もインスピレーションを与えてくれる瞬間です。こういった取り組みにより、現実世界とのつながりが保たれますし、それこそが、現代の私たちには必要なのだと思います。つまり、バーチェルな会話を減らしてフィジカルな行動に変える、より現実的なものを増やすということです。私たちは他人に「変わってください」と頼むのではなく、自分自身を変えることに全力を注ぎます。
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今後数か月間、VEJA のPOP UPはヴァイル・アム・ライン、ブリュッセル、アムステルダムにある「ヴィトラ サークル ストア」で継続します。このコラボレーションはどのようにして実現したのですか?

このコラボレーションのアイデアは、双方のブランドが、より長く使える製品を作ること、それをコミュニケーションする方法を模索する中で、まったく同時のタイミングで双方から始まりました。それはまったくの偶然でした。VEJA のスタッフがヴィトラに連絡を取り、数日後、ヴィトラがコラボレーションプロジェクトを提案するために、当社に連絡しました。それが、ヴァイル・アム・ライン、ブリュッセル、アムステルダム、異なる3つの場所に位置する「ヴィトラ サークル ストア」に VEJA を招待するというものでした。

そこでは何を見ることができますか?

VEJA の未発売のスニーカーや、プロトタイプ、特別製品や過去のコレクションのモデル、不備を最小限に抑えたB品などを割引価格で取り扱っています。 そして、小さな不備を手直ししたリペア品、またはわずかに使用されているものの修理され着用可能な製品などもあります。価格はモデルと個々の状態によって異なります。 VEJA POP UPは、「ヴィトラ キャンパス」では 8 月末まで、ブリュッセルとアムステルダムでは 2024 年 12 月末まで開催されます。
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しかし、業界や世の中として、過剰消費と過剰廃棄の問題は依然として残ります。 VEJA では今後どのように対処していくことを考えてますか?

当社もヴィトラも、私たち全員がこの問題に向き合わなければなりません。 VEJA では、「最も環境に優しいスニーカーは、すでにあなたが持っているスニーカーだ」というスローガンを掲げています。新しいスニーカーの購入を促すのではなく、今の靴を修理しながら使い続けていくこと、そのために8 つもの修理ステーションをオープンしました。

Publication date: 10.7.2024
Images: 1., 8., 9., 10., 11., 12. © Vitra; 2., 3., 4., 5., 6., 7. © VEJA

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