ラ シェーズ

くつろぎと対話、団らんのための浮遊する彫刻

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チャールズ&レイ・イームズによってデザインされたラウンジチェア 「ラ シェーズ」 の歴史は1948年まで遡ります。ニューヨーク近代美術館(MoMA)が主催する‘International Competition for Low-Cost Furniture Design’(低コスト家具デザインの国際コンペティション)に出展するために開発された作品のひとつです。ガストン・ラシェーズの「フローティング フィギュア」という彫刻作品が着想源になり、ラシェーズと名付けられました。

当時、イームズオフィスでは、この椅子は対話をし、くつろぎ、団らんを楽しむためための機能的な家具として構想していましたが、その巨大で彫刻的な形状は複雑すぎて、大量生産が困難であることがわかりました。
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ラシェーズの唯一無二の形状は、レイの画家としてのキャリアと自由で有機的なフォルムへの愛を表しています。一人掛けでも、二人掛けとしてでも使えるように設計され、ホワイトラッカー仕上げの滑らかなシェルの質感と曲線の上で、あらゆる自由な姿勢でくつろぐことができます。
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ラシェーズの有機的なシルエットは、家具というよりもさらに彫刻的であり、オーガニックデザインの象徴ともいえる波打つシェルは見るだけでゆったりとした気持ちになり、さまざまな姿勢を試したくなります。まるで自立型の彫刻のようなラシェーズは、シェル、5本のクロームメッキのベース、十字型のオーク材の台座という異なる3つの要素で構成されています。
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イームズ夫妻の存命中に製品化が叶わなかったラシェーズは、1990年、ヴィトラによって製品化されました。

Publication date: 07.09.2023
Author: Stine Liv Buur
Images: 1-6: © Eames Office, LLC 2023; 7: Staged at the Eames House, Pacific Palisades, California © Eames Foundation, 2023 © Vitra / Photo: Florian Böhm (Studio AKFB) / Eames House © Eames Foundation, 2023

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